10.12.2010

北京情報2

お久しぶりです。
関口です。


中国に来て一か月が過ぎました。北京は朝晩だいぶ冷えるようになってきて、特に朝は手袋とキャップが必需品になってきました。では、「sekiguchi流中国自転車事情」報告第2弾です。

僕がこちらでピストを買った、北京のピストショップ「Natooke」のINESからはよくメールが来ます。今度ここでパフォーマンスするよとか、この日の夜にみんなでグループライドするよ、など。先日は、いま北京で一番おしゃれと言われている、若者がたくさん集まるショッピングモールの広場でパフォーマンスしたようです。僕は残念ながら時間がなく見られませんでしたが、彼女は北京の色々なコミュニティと様々なかたちでコンタクトしているらしく、いろんな形で自転車の文化を広めようとしているようです。
そのメールの中に、「10月2日、天津でAlleycat raceがあります。参加しませんか?」というものを発見。ちょうど休日だし、ここはひとつ思い切って参加してみようと思い、北京のピストライダーたちと11人で天津に行ってきました。これがなかなかの珍道中だったので、お伝えします。

朝8時に家を出発、指定の場所まで30分ほど踏んでいくと、16歳のかわいい男の子が待っていました。軽く挨拶し、お互い自転車を見せ合っていると、もう一人、さらにもう一人。そしてINES到着。全部で6人集まったところで出発駅の北京南駅までおよそ20分走りました。が、これが皆めちゃくちゃ早くて。。。ドロップ下ハンで信号関係なし。。。なんとか着いていくも、駅に着いた頃には僕だけ汗だくのフラフラ。。。大丈夫かな。。。

中国の電車は日本と同じく輪行が基本。ところがちゃんとしたバッグを持っているのは欧米人くらいなもの。そこで登場したのが、使い古した大きなシーツです。前後タイヤを外し、フレームと一緒にシーツにくるんで結んで、はい出来上がり。滑稽な姿ですが、これはかなり便利かもと思いました。すごくコンパクトになりましたよ。駅で待っていたアメリカ人1人と韓国人の若者4人と共に、駅のマックで早めの昼ごはん。そして、列車に乗りました。
天津までは特急列車でおよそ30分、料金は日本円でおよそ700円。なんでも安いのがこの国の良いところ。しかもミネラルウォーターがFreeで。バッグにたくさん入れちゃったのは言うまでもありません。天気がよくて景色は最高。北京郊外の農村風景を見ながらちょっとした旅気分です。車内に表示されるスピードは最高時速が332キロ。日本の新幹線並みです。

天津に着くと、駅の構内でチャリを組み立てます。ここで中国らしいひとコマ。こっちの人たちは、ちょっと珍しい光景を目にすると、すぐにワラワラと集まってきます。しかも周りの人を大きな声で呼んだりして。ガチャガチャとチャリを組み立てている僕らの周りにはちょっとした人だかりが。おっちゃん達がわけわからん中国語で次々に話しかけてきて、うるさいのなんの。でもそのほとんどは「いくらすんだ、これ」とか、「どこで買ったんだ」とか。金目のものに目がない中国人って感じです。組み立て終わって、現地のピストライダーと合流。アメリカ人のマイク。INESの友人です。皆で走ってレースのスタート地点に向います。ところが天津の道路事情は北京よりも悪く、渋滞も半端じゃない。空気もきたない。かなり不安なまま、スタート地点につきました。

中国ではピストバイクのことを一般的に「固定歯舵自転車」と表記するようですが、若者は若者言葉を使います。付いた名前が「死飛」。死ぬほど速い、という意味です。ピストのことを「死飛(すーふぇい)」と呼びます。天津にはピストのチームがあるようで、スタート地点で待っていたチームのメンバーはみな背中に「天津死飛」と書いたおそろいのTシャツを着ていました。みんなであいさつして、レースフィーを350円払い、いよいよスタートが迫ってきました。ところが、北京チームは僕を含め誰一人天津の街を知らず、地図もない。困ったな~って顔をしていると、オーガナイザーのマイクが大きな地図と詳細な地図をくれました。天津チームと北京チーム合同でAlleycatを行うのは今回が初めてのようです。にもかかわらずとてもしっかり準備されていて、細かいところまで気配りがされているなと思いました。おそらくマイクとINESでいろいろ話し合って準備をしたのでしょう。ちらっと見えたプライズの中には、ドリンクボトルやノグライト、新品のチェーンやペダルなどのほかに、なんと新品のフレームが2本ありました。

天津も北京も共通して言える事は、ピストのムーブメントは日本から2~3年遅れている、という事です。台湾や上海と違い、トリックライダーはゼロ。車体はみなカラフルな色使いで、スピード重視のケイリン使用。チネリの緑色のフレームにチューブラーでスキッドする若者や、前輪にはいたMavicのカーボンタイヤをとても自慢げに僕に見せる天津の若者が印象的でした。「快?(速い?)」「非常快(めちゃ速いぜ)」が合言葉です。

ということで色とりどりの車体が路上に並び、スタート。みんなめちゃ真剣で、あっという間にいなくなっちゃいました。ちょっとあっけにとられた僕ですが、がんばって着いていくべく、6つあるうちの1つめのチェックポイントまではなんとか追いついていました。ところがそのあと案の定道に迷いまして。。。偶然ばったり会った北京チームの韓国人といっしょに天津の街をさまよいました。各チェックポイントではいろんな事をやらされることになっていて、踊れとか歌えとか、ビールを買って持ってこいとか。。。まぁなかなか楽しかったです。そんなこんなで天津の車にひかれそうになりながら、ふらふら走り続けて2時間ほど過ぎたところで、どうにか全てのチェックポイントを通過。最後のチェックポイントは、天津のみんなが集まる自転車屋さんでした。かなり立派な店構え。ピナレロやコルナゴ、チネリなど、本物がずらり。もちろん台湾メーカーのジャイアントも。トライアルバイクまで置いてありました。そして、INESの店と同じように、おそらく中国産の安そうなピストフレームがたっくさん置いてありました。
見ると、壁に活動内容を書いた紙が貼ってあります。その中に、「打馬球」の文字が。ついに発見!ポロの事です。時々あつまってやってるんですって。「僕はポロプレーヤーだよ」と言うと、「お前また絶対に来い!一緒にやるぞ!」って言ってくれました。まだまだ始めたばかりみたいでしたが、ポロをやってる奴が中国にもいることをついに発見し、嬉しくなりました。もちろん台湾や上海にはいるんでしょうが、大陸の北側でやってるって言う話はあまり聞かないし、北京でも話はあっても見たことはないので。「中国でポロを」の夢ももしかしたら実現するかもしれません。今後もつながっておく必要ありです。

フラフラになりながらなんとかゴール。33人でスタートして、7人がリタイア。僕は26番。つまり。。。初めての街でとても疲れたけど、とにかくたくさんの友達ができたし、完走できたし、言うことなしです。天津チームの若者は、「一回一緒に走ったら、もう友達だろ!」って。どっかのDoggyさんみたいなこと言ってました。気分は最高でした。きたない空気でぶっこわれた喉がとても痛みましたが、そんなものはアフターパーティーのビールでごまかしました。

そしていよいよプライズ贈呈式。優勝者にはピンクのピストフレーム。前輪Mavicのあいつです。そのあとペダルとかチェーンとかが順番に贈呈され、雰囲気はとてもアットホーム。みんなでワイワイビール飲みながら会が進み、最後に呼ばれたのはなんと、僕。
「東京から北京に留学に来て、INESの店で死飛を買って、走った事もない天津の街に来て、ビリだけど完走して、お前は偉い!だから、フレームをやるよ!」だって。こんなびっくりなことが起きるとは全く思わず、「so amazing!」しか言えませんでした。
おそらくアルミの黒いフレーム。この際安いとか高いとか、材質がどうとか関係ありません。とにかくうれしかった。もらったことがうれしかったのではなく、一緒に完走した韓国人も喜んでくれたし、知らない中国人がみんなで僕に拍手をしてくれてる。その場にいられたことが不思議でもあり、気持ちよくもあり。またしても自転車の不思議な力にやられ、自分の世界が知らないうちに大きく広がっているんだってことを深く深く知らされました。INESをはじめ、出会ったみんなに本当に感謝です。最後は全員でオーガナイザーのマイクの顔にケーキをぶつけ、安い中華でお腹を満たし、会は終了。最終列車で北京に戻りました。部屋に着いた頃には午前0時を回っていました。

今、僕は飛行機の中にいます。中国東北部、遼寧省の丹東という町に向っています。そこは北朝鮮との国境の町。川の向こうにある北朝鮮の国土と、そこで暮らす人を肉眼で見ることができます。仕事の一貫として視察に行くのです。旨い海産物でも食べようかなと思っています。


では、また。


関口良太

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